運命の人と出会った瞬間に「ビビッと来る」とよく言われています。そのため、ツインソウルに巡り合ったとき
「ほかの人とは違う」
「きっと一緒になるような気がした」
「一目惚れした」
などと、一目見たときに普通ではないものを感じ、相手がツインソウルだとわかるのでは、と想像している人がいるかもしれません。
ですが実際には、ビビッと来るようなドラマチックな展開が起こるとは、一概には言えないようです。
今世でのツインソウルとの出会い
夏のじりじりとした暑さが和らいできたある日、コトノオは車で、とある家に向かっていました。当時、猫の避妊手術のボランティアを行っていて、その依頼で猫を預かることになっていたからです。目的の家に到着し車から降りると、これから対面する猫のことを考えながら、玄関に向かいます。
玄関先には、男性が立っていました。ひょろっと細身の体形に少し曲がった背中。半袖シャツの袖口から伸びる浅黒い腕。男性の顔に視線を向けたときに、彼女の体に一瞬、緊張が走りました。
「お父さんに顔が似てるな。こわい……」
男性は、幼いころからいつもコトノオを緊張させた父親に、風貌が似ていたからです。
そして、この父親に似ている男性こそが、のちにコトノオの人生をひっくり返すほどの衝撃を与えることになるツインソウルだったのです。
初めて出会った日は、彼が自分と魂を分け合った相手であるとは知る由もなく、彼に特別な関心を向けることもありませんでした。彼女は猫を預かると、これといった言葉を交わすこともなく、彼と別れました。
その一方で、彼はコトノオに特別なものを感じます。彼女の頭のてっぺんから足のさきまでの全体のシルエットが視界に入ったとき「見つけた」と感じました。
しかしその直観は「ビビッと来る」「電流が走る」というようなものではなく、もっと静かな、ぽっとろうそくに火がともるような感覚でした。
ビビッと来るというほどの強さはなかったものの、彼はコトノオに特別なものを憶えたのです。理由もなく「この人なんじゃないかな」という言葉が、彼の心に浮かび上がりました。ツインソウルは、男性の方が女性を見つけると言われていますが、コトノオとツインソウルとの出会いもまさに、そのセオリー通りでした。
体験記33につづく

この体験記は1章〜7章、全58,000文字で構成されています。
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