「もう、父親のことは克服しなくていい。これからは一人で生きていこう」
それまでの人生においてずっと葛藤してきた父親との問題を乗り越えることを、コトノオは諦めることにしました。そして、父親との問題から距離を置いた人生を送りはじめようとしてから、人生がどんどん悪い方に流れていきます。
のちにわかることですが、実はこの「父親との問題」が、今世でコトノオに与えられた魂の課題であったのです。
離婚後は、それまで続けていた動物看護士の仕事で、細々と暮らしいくことはできました。しかし、今後一人で生きていくのにどうしようか、そう考えたとき、このまま島に残る理由が見当たりませんでした。
そこで、13年の動物看護士のキャリアと野良猫対策のボランティアの経験を活かし、その後の人生は、島を離れて野生動物保護の仕事で食べていこう、という思いに至りました。
そこからコトノオは、野生動物保護の道に進むために全力で頑張りはじめます。
ところが、目的達成に向けて一歩足を踏み出すたびに、自分の頑張りではどうにもならない出来事が次々に起こり、諦めざるを得ない状況に追い込まれます。そしてついに、新しい生活の足掛かりとなるはずだった野生動物保護への道が、閉ざされてしまうのです。また、ちょうどそのころ、どん底に追い打ちをかけるような出来事が起こりました。
それは、長い間、彼女が父親のように頼っていた友人の死。父親の愛情を受けられなかったコトノオは、父親代わりになる男性をいつも知らず知らず探していました。そんな父親代わりの一人であった友人の死により、彼女は精神的な支えをも失ったのです。
「これから先、もうどうしていいかわからない」
心にぽっかりと穴が開き、そのふさぎ方もわからない。このとき、コトノオはまさに人生のどん底にいたのです。
体験記31につづく

この体験記は1章〜7章、全58,000文字で構成されています。
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