今回の物語は『今世と男女逆転の関係』の続き(その3)です。
その1

その2

彼女は、少年の母と祖母に否定され続けてきた彼の自由な心を愛してくれました。彼女と過ごす時間は、彼にとって、自分らしくいられる唯一の時間となります。
彼女は僕の自由な魂を愛してくれる。僕はいつも家のこと母さんのこと、そして父さんのこと、いろんなことを考えて窮屈に暮らしているけれど、彼女があのかわいい顔で僕を見上げて笑うときだけ、現実も悪くないって思うんだ。
彼女の家で過ごす時間が増えたころ、少年は、これまで興味を示さなかった革のことを学びはじめます。けれど、ちゃんと学んでしまうと、また家に縛り付けられてしまうため、ほどほどに取り組むことにしていました。
彼女は少年と結婚したがっていましたが、彼は躊躇していました。もし結婚して、彼女が少年の家で暮らしはじめたら、彼にとっての逃げ場がなくなってしまうからです。それは、何としても避けたいことでした。
気がかりだった弟が成長し、もう自分がいなくてもちゃんと生きていけると感じたとき、彼は決心します。
「弟はもう大きくなって自由にしてる。あいつは別に何も気にしてない。だから僕ももう、家のことは気にしないよ」
そして、彼は家族のために働くことを最後まで受け入れず、彼女と楽しく暮らすために、遠くの町に家を持ち、彼女と結婚します。
彼は、革職人として彼女を養っています。稼ぎはそれほど良くありませんでしたが、彼女と二人で暮らしていくには十分でした。
家族と離れ、彼女と二人で新しい人生を生きていくんだ、そう自分で決めたのち、それまでの窮屈な日々が嘘のように心が落ち着き、いつも楽しいことを考えて胸をわくわくさせながら、幸せな暮らしを送るようになりました。
体験記24につづく

この体験記は1章〜7章、全58,000文字で構成されています。
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