今回の物語は『今世と男女逆転の関係』の続き(その2)です。
その1

「お父さんにそっくり。ふわふわと考え事ばかりしてる。もっと修行すれば素晴らしい職人になれるのに」と母親が嘆き「外をふらふらして出歩いてばかりいて。家族をお前が面倒みなくちゃいけないのに」と祖母がこぼします。
少年は、母親たちが彼への不満を口にしているのを知っていましたが、聞こえないふりをしていました。家族の面倒を見るつもりはなく、家を出ていきたいといつも考えていたからです。
少年は、革職人としての腕前がありましたが、父親と同じ革職人になり家族を養うことに抵抗を感じていました。
「本当は、僕は当たり前に革で物を作ることができるんだ。とてもうまいんだ。もっとすごいものも作れるけど、それは秘密なんだ」
少年の願いは、家族から離れ、自由になることでした。
「どこか遠くへ行きたい。もともと僕は自由なんだ。誰にも僕を引き留められるわけがないんだよ」
まだ12歳の自分が、なぜ幼い弟や家族のことを自分よりも考えなければいけないのか、彼には理解ができませんでした。
ただ、弟のことはかわいがっていたため、自分が家族の面倒を見ないのであれば、弟がどうなってしまうのか、それだけが気がかりでした。
少年が18歳になるころ、彼はほとんど家には帰らず、幼馴染の彼女の家に入り浸って暮らしていました。彼女は、彼の家の近くに住んでいて、10歳のころから自然と遊ぶようになり、仲を深めていきました。この彼女が、今世では男性として生きるコトノオのツインソウルの前世の姿です。
体験記23につづく

この体験記は1章〜7章、全58,000文字で構成されています。
HPでは3章くらいまで順次公開予定ですが、お先に読み進めたい方、最終章まで読みたい方は、noteにてご購入いただけます。
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