今回の物語は『前世物語・ツインソウルと魂が一つだった最後の人生』の続き(その2)です。

幼少のころから、同じ場所で同じ時を過ごした仲間たち。しかし少年は、彼らに仲間という意識が湧くことはありませんでした。親友と呼べるような、自分の心を明け渡せる友人もいません。
年ごろになると、周りの仲間たちは、当たり前のように女性に興味を持ち、子供を持つ者もありましたが、彼は女性に対して、仲間たちのような興味を持つことはなく、かといって男性に興味があるわけでもありませんでした。
彼は、自分以外の他人にあまり関心を持つことがなかったのです。だけど、なぜか彼は人から好かれ周りに自然と人が寄ってくる、そんな存在でした。
彼は、学びを終えると、学者として研究することを生業としました。仕事はそつなくこなし、きちんと成果をあげる優秀な学者でした。
人生において、感情が熱を帯びるようなドラマチックな出来事が起きるわけでもなく、抑揚のない毎日を重ねているうちに、彼は歳をとっていきます。
幼少のころからずっと続いている、なんの苦労もない日々。人生を振り返ると、成し遂げた功績にすら、いつもそこに咲いている花と同じくらい、特別な価値を感じられません。
それから、年月が経ち、いよいよ学者として引退するときがやってきました。彼は、それまで住んでいた寄宿舎を離れ、自分の家を持ち、そこに移り住みます。飢えに苦しむ人たちが当たり前にいるその時代に、簡素ではあっても自分の家があり、食べ物がある。やはり、苦しみとは縁のない暮らしを人生の終焉まで送ることになるのです。
その家で彼は、身の回りの世話をしてくれる小間使いのような少年と一緒に暮らしていました。そして、自分を慕ってくれる少年と、短い時をともに過ごすことになります。
体験記14につづく

この体験記は1章〜7章、全58,000文字で構成されています。
HPでは3章くらいまで順次公開予定ですが、お先に読み進めたい方、最終章まで読みたい方は、noteにてご購入いただけます。
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