前世物語・ツインソウルと魂が一つだった最後の人生
舞台は紀元前のギリシャ。そこに一人の少年が暮らしていました。白い布を身にまとい、足元ははだしに茶色い革のサンダルを履いています。明るい茶色の髪の毛は、少しカールがかかっていて、内向的ではないが、社交的でもない、そんな性格の少年。この彼が、コトノオとツインソウルの魂が一つだった最後の人生の主人公です。
ツインソウルと魂が分かれる前、完璧な魂を持つどんな人間からも感じられる無敵感が、この少年にも同じようにありました。
少年は、両親のもとをはなれ、寄宿舎で同じ年ごろの子供たちとともに、星のことや科学のことについて学んでいました。
日々の学びは嫌いではなかったけれど、学びに関してわくわくとした気持ちを感じることはありません。
寄宿舎で暮らしをともにする少年たちとも仲が良く、そこでの暮らしに何の不満もありませんでした。そして魂が震えるような出来事もなく、ただ淡々と日々は流れていきます。
少年は、いつも退屈していました。
石造りの建物の中で、師の話す星の話に耳を傾けながら空に視線を向けると、大きな白い鳥が飛んでいるのが見えました。澄み渡るような青空を背景に、ゆったりと円を描き旋回している鳥の姿を眺めていると、自由になりたいと、そんな思いが少年の心にふっと湧いてきました。
けれど、自由になりたいからと言って、そのために何か行動を起こすような力は湧いてきません。現状に不満があるわけではない。平穏な日々をわざわざ手放さなくとも、繰り返される毎日の中で、退屈さを紛らわすことができるような、夢中になれるものでも探せばいい。そんなことをぼんやりと考えていました。
同じ寄宿舎、同じ人間関係、続く学びの日々。その場所で繰り返される変わらぬ毎日は、少年が大人になるまで続いていきました。
体験記13につづく

この体験記は1章〜7章、全58,000文字で構成されています。
HPでは3章くらいまで順次公開予定ですが、お先に読み進めたい方、最終章まで読みたい方は、noteにてご購入いただけます。
ご購入はこちらから(Twin Soul Storyページ内『前世からの約束』マガジンをお買い求めください)
